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《ネタバレ》 牛車の客室の中にいるかぐや姫が目を覚まし外をのぞくシーンなんだが、そう言われないと、現代の女子大生(女子高生にも見える)が一人暮らしアパートの2階の窓から朝、帰っていく彼氏の背中を気付かれないように眺めているようにも見える。見えるように書いてるだろうし、象徴的なこのシーンを宣材に使ってる作為も見逃せない。おはぐろとか、眉毛抜いたりとかしたときのかぐや姫がかわいくないし抵抗する。こんな点からも、かぐや姫は現代を生きる女の子であることがわかる。この映画がリリースされた2013年の女の子が、悠久の時を越えて、昔話の世界に落とされた感じだ。昔と今とで野山や民俗は変化したが、ただひとつ変わらない風景、それは月。
声優が地井武男ってのも泣ける。地井武男の声で、あの翁が、かぐや姫が立ったり微笑んだりするだけで泣きじゃくって喜ぶ姿は、誰がどう我慢したって泣けてしまう。 月からのお迎えのシーンについて、僕はもう胸が締め付けられっぱなしだった。あれは、かぐや姫の“死”である、とするならば、これほど悲しい結末はない。普遍的なものを目の当たりにすると、人はおそれをなす。僕はこの映画におそれをなした。ここ最近のスタディオディブリ作品では傑出する。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-12-09 21:15:53)
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