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《ネタバレ》 確かに脚本はよく工夫されている。それがかえってあだとなったと感じる。原作の漫画のことはよく知らない(おちょなんさんは少し知ってた)が、原作が面白いのだろうから、多少強引にでも、繋がりを気にせずに各エピソードをちりばめてしまってよかった。つなげることで精いっぱいになってしまい、本来のホラー感のほうがおまけになってしまった。
『放送禁止』シリーズで背筋が凍る瞬間は、画面の奥のほうでじっとこちらを「監視」している人々の見切れである。これを撮れるのが長江監督くらいのもんだから、僕はこの映画を見ている最中ずっと画面の隅々にまで目を凝らした。しかし背筋が凍ることはなかった。もっと意図的に、奥でこちらを監視する何者かが沢山いてよかった。 CGや特殊メイクがおざなりであるという感想を見受ける。長江監督は、作品中にあえてわざとらしさを残す作風の人だ。だからこの程度のCGや特殊メイクも、監督の意図するところだ。しかしこの映画は、やっぱり作り物の世界であるから、長江監督の信条に沿わないかもれないが、もうちょっと嘘っぽさをなくすべきだった。鑑賞者の想像力を信頼し、もっと隠す勇気があればよかった。 雲の形とか、這う目玉とか、きもいわらべ歌とか、内装の木目とか、アンニュイな空の色とか、「嫌な予感」は上手に作られていた。だけどもっと嫌な予感だらけにできたはず。 【no_the_war】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-01-22 21:27:42)
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