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《ネタバレ》 撮影現場をしのぶ。本当の様子は知らないが僕の予想では、休憩中でも世間話しようものなら、監督はなにも言わないだろうが、監督の怖さを知っている人たちからの「黙れ!」的な視線が突き刺さるんだと思う。刑務所のような独裁的な、辛いだけの仕事場になっているのではないかと思う。姉が病室でベスの死を嗚咽するシーンなんか監督からの言われようはすごかったんではないか。そういう撮影現場から産まれた映画である。イキモノが訴える何かすさまじいエネルギーがこの映画にはある。つくづく思うのだが、こんな潜在的なエネルギーを、なぜもっとハッピーな物語つくりに向けられないのだろうか。それともあれか、人間の感情は不幸の方向に発散した方が正の加速度がつくというのか?まあ確かにそうだが。ラース・フォン・トリァには一度、週末家族団らんで初めて買ったホームシアターのこけら落としで観るようなハッピーな気分になれる映画を撮ってもらいたい。そしたらきっとすごい。
内容に関しては、相変わらずこの監督はすばらしい。映画作り方法は残虐かもしれないがクオリティは本当によいと思う。そもそもベスは夫からの鬼畜な要求に最初から最後の最期まで抵抗を感じている。涙ながらに太った男にやらせてる。夫のためならと喜んで見知らぬ男にやらせているならばただのポルノ映画。悲痛な顔だからトリアー監督なんだな。この監督の存在自体が悲痛である。 【no_the_war】さん 8点(2004-10-31 16:50:29)(良:1票)
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