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「責任」「責任」「責任」と言われ続けて育ってきた娘は、何て神経の細い、存在感の薄い、びくびく怯える子供に見えたことか。「僕もだよ」と言って、娘を安心させるためにハリソンが自分のジュースをこぼすシーンは最高! この映画のすごいところは、1人の人間に2つの人生を重複させ、負傷前に一度もバックすることなく、現時点の演技のみでそれを表現させていること。回復したハリソンに周囲の人々が戸惑うだけで、彼が以前はどれほどエゴイスティックな仕事人間だったかよくわかるというもの。手紙の色を使った伏線、リッツの絵、ふぐの話。脚本の中に、重要なアイテムがほどよく散りばめられており、決してフィルムを巻き戻さず、現時点のストーリー展開が基本という姿勢が、とても硬派だと思った。リハビリ効果が恐ろしくスピーディなどリアリティに欠ける部分はあっても、それが何だと思えるくらい描かれている家族愛が素晴らしい。アメリカで心が通わず冷え切った家庭が増えているのは、「アメリカン・ビューティ」(これにもアネットが出演)でもよく知られるところ。「心の旅」はそうした家庭にとってはおとぎ噺であり、切ない希望なのだろう。
【tony】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-04-03 00:07:01)
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