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《ネタバレ》 13年間の前と後も同様に美しいクレアと、深い悲しみにすっかり老け込んだジェス(この無情な対比に、ジュリア・ロバーツがよくこの役を引き受けたなあと驚いた)。2人は決してハグを交わさないが、心の底で互いにリスペクトし、いたわり、大事に思っている。2人とも、低い声で話す抑えた演技がそれぞれ個性的で、どちらも目が離せない。間に入ったカステンがまた絶妙な位置にいて、トライアングルの均衡は崩れる気配がない。
ただ、ストーリーが痛い。モラレスのやり方もどうかと思うが、仲間内の不幸を最優先し、良心を傷めることなくテロリストの検挙を度外視しているカステンはプロ失格だ。この点だけは全く共感できない。9.11の事件が起こってまだ間もないのに、ジェスの娘のように命を奪われる犠牲者が多数発生するリスクを、なぜカステンたちは軽視するのだろう。そもそも、ビジネスライクに現場にやって来たカステンやジェスにかなり違和感があった。自分の人生に関わる人間が被害に遭わなければ、本気になれないのか。他の命を軽視しているように見えて仕方がない。テロ犯罪防止とレイプ殺人検挙の狭間で、主要キャストたちが悩みくドラマを見たかった。 また、被害者遺族が復讐を果たすことが許されるなら、納得できない法の裁きを受け入れ、一線を越えることなく耐え忍んでいる一般の遺族が浮かばれない。穴を掘り続けるカステンに、どうしても共感できなかった。ただ、愛する子供を理不尽に奪われた遺族は、加害者に対し、これほどの憎しみを生涯持ち続けるのだと訴えているこの作品は、一見の価値ありと思う。 【tony】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-03-26 15:19:19)
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