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《ネタバレ》 セリフがすべて比喩的なので、大人向けの渋い映画。運命は何十年もかけて旅し、ある日とつぜん、その人に訪れる。その人が納得しようとしまいと、それはその人が知らなかっただけ。そう考えないと納得できない事件が、世の中には多い。逆にいえば、生きるということは、偶然の連続によるもの。しかし人は、その幸運のコインをわざわざ気に留めず、ポケットにいれてしまうので気付かないだけだ。シガーという存在は、その哲学そのもの。これを(悪い意味で)実践してまわっている。だからこそ、青信号でいきなり横から追突されても、淡々としている。―――――いつからこんな世の中に・・・?これは「時代の変化」、だと信じていた。ベル保安官も、観客である自分も。「昔は良かった」、と信じたい自分がいた。しかしよくよく考えると、いつの時代もそうだったはず。最後、ベル保安官が語った父が出てくる夢に、そんな気づきを感じた。そこではじめて、主人公も観客も、“目が覚める”のだ。
【九寨溝】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-05-03 17:07:05)(良:2票)
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