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《ネタバレ》 リアルな怖さとは、まさにこの映画のこと。狂った人間、犯罪者が出てくる映画は数多くあるが、ここまで身近にいそうで恐怖を感じる映画は少ないと思う。例えば、「羊たちの沈黙」のレクター、「セブン」のジョン・ドゥ、「SAW」のジグソウなどは、もう完全犯罪。頭良すぎ・理屈だらけで、怖さ以上にスゴさが押し出され遠い世界の話に感じる。「シャイニング」のジャックは霊的な何かにとりつかれて…みたいな感じで現実味が薄い。「サイコ」のノーマン・ベイツは、身近にいそうな変質者だが、被害者とのやりとりの描写は映画中にあまりなく、ジワジワくる恐怖はない(どちらかと言うと、ドキッとする怖さ)。アニーの怖さは、「命を助けて、色々世話してるのになんで感謝しないの?」という表現が表すように、自分のしていることが100%正しいと思っていること。作品を焼いたことも、足を折ったことも、全て正しい事だと本気で思っている。「人間の正義を超越した正義 私はその正義に従う」正に自分のしていることは正義だと思っている。普段はそれほど怖くなく、むしろ温厚ともとれる態度が逆に恐怖。よくニュースなどでとりあげられる「キレて殺した」という話は正にアニーと通づる。だから、怖いのだ。話し自体は難しくなく、展開も比較的読める。映画の評価のベクトルをどこに向けるかによって、点数は変わってくるとは思うが、「恐怖」という観点のみでこの映画を観たら、間違いなく10点だろう。
【グングニル】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-05-19 18:41:26)
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