小さな村の小さなダンサー の かわまり さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > チ行
 > 小さな村の小さなダンサー
 > かわまりさんのレビュー
小さな村の小さなダンサー の かわまり さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 小さな村の小さなダンサー
製作国
上映時間117分
劇場公開日 2010-08-28
ジャンルドラマ,伝記もの,小説の映画化
レビュー情報
英語の予告編で華麗なグラン・パ・ドゥ・ドゥー(男女ペアの舞)を見せつけられ、英語サイトであらすじを読んだ後にこのサイトで初めて戴思傑原作・監督の「小さな中国のお針子 」のパクリみたいな邦題を見て「あれっ?」と思ってしまいました。なぜ、英語のタイトルを直訳しなかったのか・・・。でも、作品を鑑賞した後では邦題のほうが内容をより良く言い当てているのかもしれないと思っています。英語サイトには「毛沢東主義に染まった中国人芸術家が共産主義に疑問を持ち・・・」なんて書いてありましたが、こんな堅いことは一切抜きで鑑賞できる作品だと(少なくともわたしは)思うからです。文化大革命などといった歴史のうねりと比べて芸術家であろうがなかろうが、一人一人の人間の力がいかに小さく弱いものであるかが描かれているようでもあります。天職のダンサーとしてはより高く飛び、より美しく舞うことしか考えず、一人の青年としてはごく平凡にカンフー映画やディスコ、そして女の子とのデートに興じる主人公の李存信の生き方を見て、「これでいいじゃない。こういう人が歴史を作るんだ。」と妙に納得したりしました。主人公は普段着の時はどこにでもいそうな東洋人の兄ちゃんですが、彼が舞台衣装を纏い、メイクを決めて居並ぶ白人群舞ダンサーたちをバックにしてソロを演じる様には本当にぞくぞくさせられました。わたしも同じ東洋人だからだと思います。異論もあるでしょうが、わたしはこの作品は少女コミックにあったようなスポーツ根性ものの一種ように鑑賞するのが自然だと思います。レオタードではなく白いシャツと黒いズボンを身に着けた中国人の少年たちが舞踊学校で次第に高度な舞踊技術を身につけていく様、初めて女の子とパ・ドゥ・ドゥーを舞う時の主人公たちの恥じらいの表情、そして五星紅旗と青空をバックにしての主人公とアメリカ人女性との普段着のままでのパ・ドゥ・ドゥーなど、何も考えずに見ても(考えてもいいですが)楽しめます。デビューの舞台上でのフラシュバックがやたら長いこと(一番強烈な中国古典の射手の寓話だけで十分)、そして奥さんとの経緯がいまいちはっきり描かれていないことが減点要因です。
かわまりさん [映画館(字幕)] 9点(2010-09-25 09:57:52)
かわまり さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-10-05シビル・ウォー アメリカ最後の日3レビュー6.61点
2024-07-26もしも徳川家康が総理大臣になったら8レビュー5.60点
2024-03-30オッペンハイマー9レビュー6.56点
2024-03-20ゴジラ-1.08レビュー7.08点
2022-07-05クイン・メリー/愛と悲しみの生涯7レビュー7.00点
2022-04-06ドライブ・マイ・カー8レビュー6.65点
2021-09-01蝶々夫人8レビュー8.00点
2021-02-20地獄門5レビュー6.39点
2021-01-01博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか6レビュー7.69点
2020-06-12タクシー運転手 約束は海を越えて9レビュー7.24点
小さな村の小さなダンサーのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS