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《ネタバレ》 フィンチ弁護士を演じたグレゴリー・ペックの威容と言っていいほどの貫禄と父親としての温かみが素晴らしかったです。フィンチ弁護士の論理は作品中で見る限り完璧だと思います。幼いスカウトは裁判の内容や父の論理を理解できるような年齢ではありませんが、それでも父親の正しさと勇気には触れることができ、また、努力にも関わらず敗北を喫した父親に黒人席全員が立ち上がって敬意を表したことで、きっと真の正義の観念が心に植え付けられたことでしょう。ただ、「誰かが汚い仕事をしなければいけないの。それがお父さんの役目だったの。」と兄妹に語った女性の言葉には納得できませんし、少なくともスカウトは納得していません。アメリカで今でも人気のある小説”To Kill Mocking Bird”の日本語の題名が「アラバマ物語」だということをこのサイトで知り、すぐに近所の図書館でビデオを借りてきました。子供のころ両親が購読していた「暮らしの手帳」の自社広告で、”つなぎ”を着たスカウトの写真と「貧困と無知のせいで強姦犯人にされた黒人が云々・・・。」という説明が全く一致しなかったせいで「アラバマ物語」のタイトルが印象に残り(「強姦」なんて言葉、当時理解していたのかどうか・・・?)、昨年グレゴリー・ペックが亡くなった際、彼が主演だった名作の一つとして紹介されたことで”To Kill Mocking Bird”に関心を持ちました。刑事がフィンチ弁護士に恨みを持つボブ・イーウェルが自殺したと知らせに来て、スカウトが「モッキング・バードを殺しちゃいけないんでしょう。」と父親に言うラスト近くのやりとりで誰がジェムに怪我をさせ誰が兄妹を救ったのかわかりますが、原作にはないスカウトの台詞は8歳にしてはちょっとかしこ過ぎるのではないでしょうか・・・。それにしても、フィンチ弁護士が言うとおり、人を見かけや噂だけで判断するのは間違っています。
【かわまり】さん 9点(2004-03-13 07:15:53)
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