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世界一の映画大国といえば・・・言わずとしれたアメリカ・・・ではありません。年間製作本数と観客動員数ではインドが世界のトップだそうです。だから、この映画でエクストラも含め、インド・パキスタン系の俳優が何百人、もしかしたら延べ何千人の規模で登場し、主要な人物全てが打てば響くように好演されているのも何ら不思議ではないはずなのですが、それにしてもこれだけのスケールで多数の登場人物とエクストラがCGなしで撮影・オーガナイズされている背景にはやはりかの非暴力抵抗運動の元祖、マハトハ・ガンジーの足跡を何が何でも映像にしたいという映画人の執念、さらには非暴力を唱えながら暴力に倒れたガンジーがあの世から映画製作を指揮しているかのような鬼気さえ感じないわけにはいきません。 教科書的に鑑賞した箇所も多かったのですが、いかにも青年弁護士でハンサムでかっこよかった若いころのガンジーや「塩を作るキャンペーン」や「国産衣料を着るキャンペーン」など、子供のように思いついたことをすぐに実行に移す姿が印象的てした。ガンジーの希望に反して印パが分離独立した直後、印パ国境付近をイスラム教徒難民が北上、ヒンヅー教徒難民が南下するシーンは悲劇的で圧巻でしたが、パキスタン出身インド在住のヒンヅー教徒の人によると分離独立後、インドはイスラム教徒に対して寛容だったけれど、パキスタンはヒンヅー教徒を容赦なく追い出したそうです。この映画はドキュメンタリーではないのでカンジー翁の遺志にそった脚色が随所にあるのかもしれません。歴史上、「神の下の人間の平等」を説いた宗教家は多数存在しましたが、世界史上最初で最後になるかもしれない「全ての神の平等」を説いた宗教家を力強く描いています。
【かわまり】さん 10点(2004-01-25 08:38:20)(良:2票)
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