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なんと言っても超能力の描写が、超素晴らしい。株屋さんが預言者ハヌッセンに向かって、冗談で「来週の○○の相場はどうなると思います?」と聞く。先物取引の世界を知らない主人公は「じゃあ30(だったと記憶してるんだが…)」と答える。株屋は「まさか! 今の相場は○○です。それは絶対にありえない!」と一笑に付す。翌日、ハヌッセンが新聞を見ると、「アメリカで株価大暴落」の見出しが。そう、その日が有名なブラック・チューズデー、大恐慌時代の始まりだったのだ…。一事が万事だ。未来が見えても、世界全体が悪くなっていく予言しかできない史上最凶の超能力者ハヌッセン。やがて彼の力に気付いたナチスが、その能力を利用しようと暗躍し始める。時代が悪いのか。彼の能力が悪いのか。積み重なる不幸の運命は、やがて彼自身に矛先を向け始めたのだった…。あらゆる人が不幸へと突っ走って行った時代に、さらなる災厄・ナチスの萌芽を見抜いていた男の、静かで乾いた物語。地味だけど意味深でメカニカルなドイツ劇映画をじっくり堪能したい向きには超オススメの逸品。
【エスねこ】さん 8点(2004-07-28 02:53:26)
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