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《ネタバレ》 うちには開けてはならない「禁断のDVDボックス」がある。超駄作とか二度と見たくない作品とかが入ってるんだけど、仕事の空きができてしまった&ゴールデンウィークで外出する気がないので、今日の夕方、パンドラ宜しくついつい開けてしまった。「『アウトブレイク』? 確かエボラ熱の話だったのが、後半いきなり空中戦になるトンデモ駄作だったよなあ…」そんな認識でプレーヤーに突っ込んで見る。40分後、まざまざと蘇る記憶に「ああっ! そういやこれイキヂゴク映画なんだった~ッ!」と大後悔中の自分がいたのでした。ショック映像を極限まで抑えてあるから、なおさら怖い。無骨なペーターゼンが監督したのは、今までは大失敗と思っていたんだけど案外正しい選択だったのかもしれない。以前は「冴えない演技だなー」と軽く見ていたダスティン・ホフマンも、意図的な役作りでああなったのを理解した。伝染病による人の死を星の数ほど見てきて、感覚的に突き抜けてしまった現場肌の頑固な医師。麻痺した感性を補うために、彼は生命倫理と使命感だけで駆動し続けている。プライベートなんて壊れてしまって久しく、愛する家族はペットの犬だけ。最大の武器は自分の死への恐怖をなくしている事だ。そんな人物像を主人公に配し、様々な彩りを持ったキャラクターが巻き込まれ、彼の生き方と対比されて行く…。いいじゃないですか。すっごく! 後半、ヘリで街を出てから、いきなりアドリブ出まくりのシチュエーション・コメディになっちゃうのを除けばね…いやー本当に、キューバ・グッディング・ジュニアとダスティン・ホフマンのかけあい、漫才としては面白いんだよなあ。というワケで、トータルでは何をやりたいのか方向不明な本作ですが、名優たちの演技の深みと素晴らしさ、それが産むドラマを堪能する事はできました。今は「駄作」ではなく「怪作」と呼ぶのが正しいと思えます。●大統領補佐官が閣僚に爆撃の決断を迫るシーンの演説、怒涛の迫力で記憶に残ってたんですが、悪役専門のJ・T・ウォルシュだったとは…なんだこういうキャラでも名演できるんじゃん!
【エスねこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-04 20:15:16)(笑:1票)
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