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カーペンターは女を描く才能が完全に欠落しているとしか思えない。今でこそ本人も自覚して、美女ナターシャ・ヘンストリッジを《漢》に仕立ててしまった『ゴースト・オブ・マーズ』なんかの怪作をモノしてるわけだが、『クリスティーン』当時はまだ理解していなかったように思う(次作の『スターマン』では見事なくらい痛い目に遭ってる)。作品コンセプトから行けばクリスティーンを女としてエロティックに描写するのは必須だ。これに加えて観客好みの豪華なアメ車を軸に派手なカーチェイスをガンガン挿入すれば、即座に60分くらいは埋まってしまうだろう。それをこんな妙な話(って原作にかなり近くはあるんだが)に持っていったカーペンターには顎を外して拍手喝采しておくしかなさそうだ。車をただの車(もしくはメカ)としてしか描けていない時点で、カーペンター監督の天才的な「構図」と「カット繋ぎ」に頼りすぎた慢心が透けて見えてきてしまう。カーペンター作品としてはかなり点が高目の本作だが、正攻法で撮った別の監督でも見てみたくなる…現存しているモデルを思いっきり壊しまくったらしいから、リメイクは難しそうだけど…。
【エスねこ】さん 4点(2004-08-29 23:48:14)(良:1票)
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