| 作品情報
レビュー情報
作画のこだわり方が変わっている。東京の風景、機械や小物への描き込みは半端じゃないのに、動きの滑らかさを出そうという努力はほとんど感じられず、それどころか会話中の人の口すらも見せないようにして作画の労力を最小限に省いている。
脚本にしても後藤、南雲中心ではあるものの普通の意味での「主役」ではなく、視点が固定されていない。むしろ奇妙な人工美に満ちた東京と、硬直した政治機構が主役であって、ひとりひとりの人間たちはそのなかで翻弄される存在でしかない。 変なアニメーションだ。ひたすら小難しい台詞が続く紙芝居のような表現には辟易したし、脚本だって完璧だとは思わない。だが、それでも面白かった。これだけ派手なアクションシーンを盛り込みながら死人がほとんど出ていないという点にも、安手のハリウッド映画にはない渋味を感じる。硬質で骨太な世界観と、それを裏打ちする思想があるからだろう。あんまり男臭いので気軽におすすめはできないけど、福井晴敏なんかが好きな人はきっと楽しめるだろうと思う。 それにしても竹中直人、なんでもやってるんですね…。 【no one】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-12-28 22:50:30)
no one さんの 最近のクチコミ・感想
|