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《ネタバレ》 ユーモラスでロマンティックで、とてもキュートな作品でした。ほとんど現実味がなく物語も細切れなのに共感できるのは、情けなくて人間味あふれる言動を、上手に笑いにくるんで表現しているからだろうか。少年の片思いや作家のプロポーズの話はまったくリアリティがないけれど、素直に感動できる。少年の愛らしいキャラクターと、作家の「君がノーといっても驚かないよ」の台詞がそれを可能にしているんだろうと思う。この辺の絶妙なさじ加減はラブコメ職人である監督の面目躍如だ。
ただ、それに対して苦味のあるエピソードはあまり上手くない。親友の花嫁に恋する話以外の暗いエピソードは半端で、着地点すらみせてくれない。部下に浮気心を出す夫も、病気の兄弟を持つあの女性も、置いてけぼりにされたままTHE END。中高年の男が錆つきかけた夫婦愛にどうけじめをつけるのか知りたかったし、あの女性の抱えた事情も恋を完全にあきらめる理由としては説得力がなかった(というかたいした努力もしてないくせにあきらめるなよ、逃げる言い訳に家庭の事情を使っただけじゃないの? と思った)ので不完全燃焼。さまざまな愛の形を描くために悲恋も加えたんだろうけど、あんまり得意じゃなかったのかな? とはいえ長い時間を全然だれずに楽しめたことは事実。何度もお腹を抱えて笑えたし、上記の欠点と、首相のエピソードが案外たいしたことないのを除けば面白かった。全編ラブソングのオンパレードという趣向もよかったけど、ひとつも思い入れのある曲が入っていなかったのがちょっぴり残念ではある。 【no one】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-21 02:00:14)
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