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《ネタバレ》 コクトーの『恐るべき子供たち』現代版といった印象。 ただしこの物語の双子は夢から覚める気配がない。しまいには社会運動に巻き込まれて否応なく現実に戻されたように見えたが、それもどうも怪しい。というのは双子はそれがどういう目的なのかさえも知らずに運動に参加するし、現実的なマシューの制止を振り払って当然のように暴力の道を選ぶからだ。姉弟は結局、デモを現実から目をそらす新たな手段として選んだだけという気がする。 彼らはとても楽しそうでうらやましい限りだが、いつまでも夢を見続けることなんて可能なんだろうか? そして何より、彼らは本当に幸せなんだろうか? ちょっとした現実の壁に突き当たっただけで自殺を図るような脆さを隠し持ちながら、ただただ夢の中に生きることでそれをごまかし、ぎりぎりのところで心のバランスを保つ。運がよければ一生夢見ていられるかもしれない。だけどその幸福はとても空虚で、しかも心の底ではいつも怯えている。うらやましいと思う反面、可哀そうだとも思った。
【no one】さん 7点(2005-02-28 01:55:22)
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