太陽がいっぱい の くなくな さんのクチコミ・感想

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太陽がいっぱい の くなくな さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 太陽がいっぱい
製作国,
上映時間117分
劇場公開日 1960-06-11
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 南イタリアの明るい青い海と空、輝く太陽に白いヨット、なのに、そこでは陰惨な殺人事件。犯人の動機は劣等感、羨望、妬み、金・・・はっきり言って醜いです。それなのに、この犯人が美しく見えてしまうのは、クレマン監督の上品な演出とカメラワーク、そしてなんといっても、アラン・ドロンの魅力でしょう。彼演じるトムの野心ギラギラの暗い目や、狡猾で抜け目ない行動、それでいて、ヤバいと感じたときとかの臆病な反応にハラハラし、引き込まれてしまいます。印象的な場面は数ありますが、まず、最初の方でトムがフィリップの服を着て、楽しそうに鏡に話しかけてキスするシーンです。これは同性愛ともナルシストとも取れる意味深な場面で、その後、彼はそれを裏付けるように、フィリップのものをすべて奪うという行動に出ます。だから、絶頂から一瞬で転落するラストを観た時も、一瞬でも至福の時を過ごせて満足だったんじゃないかと思いました。
あと印象的なのは、トムがナポリの魚市場で試食をしながら歩くシーンと、フレディを殺した後、足元を映す演出。そして殺人の後、トムが食べ物を卑しくがっつくシーン。彼は船の上でフィリップとマルジュのラブシーンを見ている時も食べていますが、ここはあのナイフを使って食べていて、かなり怖いです。このシーンはうっとりしたラフォレの目が女神のイラストのように綺麗ですが、彼女は映画全体を通して、困惑したような、怒りを含めた強い目をしていることが多く、印象的でした。トムを全く疑わないのは馬鹿かもしれませんが(^^;)。フィリップ役のモーリス・ロネも、ただの金持ちのどら息子から一歩抜け出た演技で、サディストっぽいところが良かったです。ただ、ドロンとロネがアメリカ人という設定は無理ありまくりですね。サスペンスとしてもぬるい部分が多いですが、もともと警察側から見た場面がほとんどない、アラン・ドロンのための映画です。ここはただ彼の美しさに酔いましょう。
くなくなさん [DVD(字幕)] 8点(2004-07-07 19:39:24)
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投稿日付邦題コメント平均点
2009-07-15北北西に進路を取れ8レビュー6.99点
2009-06-10用心棒9レビュー7.97点
2009-04-30赤い河8レビュー7.70点
2009-03-31雨月物語8レビュー7.40点
2009-01-14キートンのセブン・チャンス9レビュー8.62点
2008-09-11ブリキの太鼓7レビュー6.85点
2008-09-03天空の城ラピュタ6レビュー8.72点
2008-06-16赤ちゃん教育6レビュー6.55点
2006-07-27波止場(1954)9レビュー6.32点
2006-07-10ウエスト・サイド物語(1961)9レビュー7.13点
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