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いやぁ、アイロニーたっぷりのcure(癒し)ですね。、、、、現代社会に生きる誰しも、デブの精神科医のいうように「あんたの方が病気に見える」存在であり、心の中に、鬱屈したものを抱えていて、殺人という行為が、それを放出して癒すことだとすればですが、、、、、。それと「あんたはだれ」という問い。、、、、「鈴木三郎で~す」「○○商事の社員で~す」「○○歳、花婿募集中のOLどぅえーす」とか、名前、性別、職、などの社会的役割を答えることで十分な回答だと考えている人に対してなら、確かにインパクトのある問いかけかもしれません。、、、、、しかし、個人といったって、様々な社会的システムの結節点のようなもので、実体化できるものではないと覚醒していれば、「あんたはだれ」といわれたら、「お前、そんな質問に回答があるとおもってんの」と答えるしかない。、、、、、そういう観点からいえば、それぞれの人に、その人を規定するような本質、コアなどないということになる。、、、、、、、ということで、この映画ですが、、、、、人間の深層心理をあまりに単純化しすぎている、と私は思います。役所広司だって、奥さんのこと、愛していると同時に、憎んでいるんじゃないかなぁ。単に社会的義務から、扶養しなくちゃいけないけど、うまくいかなくて憎んでいるんじゃなくて、愛しているから一緒に暮らして楽しくやりたいけど、それができないから憎んでいるんでしょ。、、、、、だったら、殺したって、癒されないじゃないですか。(前者なら、憎むべき対象は社会システムであって、奥さんじゃないし)、、、、、つらつら自分のことを考えてみるに、嫌いな奴はいっぱいいるけれど、殺してやりたいという奴はすぐには見あたりません。監督は、自分の心理を一般化しすぎではないでしょうか。、、、つまりcure(癒し)が一番必要なのは、監督自身のようにも思います。
【王の七つの森】さん 6点(2005-01-25 10:10:52)
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