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《ネタバレ》 最初の30分ほどは、これまでの岩井作品イメージの延長でみていたこともあって、めちゃくちゃ気持ち悪い映画でした。・・・・・カメラのなめるような視線に、率直に言って、なんだぁ、このエロじじいぃ、と思いました。・・・・・過去の思い出をねつ造してゆくという、中盤から、そこそこ平静にみられるようになります。・・・・・・海辺でのハートのエースの話しのあたりから、なかなかよくなります。自分の大事なものを、認めてもらいたい人に長い間見つけてもらえない、という気持ちが、映像と音楽でより新鮮に感じられたからです。・・・・・そしてなんといっても蒼井優のバレエシーンです。これまでバレエをみても美しいと思ったことは正直ありませんでしたが、これは美しい。ほんとに素晴らしい。・・・・それは、アリスがどんな暮らしをしてきたか、どんな家族環境にあるのか、オーディションでどれだけ落とされてきたか、というのを見せられているからでしょう。・・・・・・・だから、どんな子でも美しく輝ける時があるのだ、という思いが、蒼井優のバレエを見ていて圧倒的に伝わってくるのです。・・・・・・リリイシュシュとこの映画との比較は非常に興味深い事柄です。おそらくリリィシュシュの方が、詰まっているものは多いし、個々の現実をよく反映しているのでしょう。しかし、花とアリスの方が、個人的には遙かに深く心を打つのではないだろうか、と思います。なぜだろう。
【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-01-28 11:05:28)
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