羅生門(1950) の 王の七つの森 さんのクチコミ・感想

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羅生門(1950) の 王の七つの森 さんのクチコミ・感想
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戦後10年ほどの間の黒澤作品の中で、特に傑出した作品には、僕には思えない。、、、海外で評価されたのは、推測するに、1.例えば三船が森をかけるカット割りの躍動感などの映像技術、2.絶対的真理の否定という物語のアイデア、3.様式美を抜きにして日本文化の独自性を伝えていること、などだろうか。、、、、、だが、1.については他の作品にも十分に片鱗は示されているし、2.については、そもそも黒澤のリアリズムと、絶対的真理の否定というのは両立するものなのだろうかと思うし、3.については日本人の私たちには、特に意味のあることではない。、、、、、そもそも、海外で高く評価されたからといって、僕たちも高く評価しなければならないいわれはないのだ。、、、、、確かに、三船という時代劇の旧来の垢に染まっていない役者を中心にして、これまでとは異なる時代劇の空間を構築した意義は大きい。だが、その本格的な構築は「七人の侍」まで待たねばならないのではないか。、、、、そしてこの作品では、映像は斬新だとしても、音は劣悪で、しばしば映像を妨害している。、、、、さらに、すでに触れたが、黒澤自身、最後に木こりの話を付け足したように、ある種、確かなもの、絶対的なものは存在するのだと黒澤は考えているに違いない。そしてそれに基づいて彼のリアリズムは成立していると僕は思う。だとすると、主観的な語りによって事実が形成されるから、事実自体多様なものであり、一つではないというポストモダン的な、「羅生門」の一見したところのテーマは、実は黒澤の思想とは一致せず、へんな目くらましになってしまっている。
王の七つの森さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-30 11:33:53)(良:1票)
王の七つの森 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2012-05-20ノー・マンズ・ランド(2001)9レビュー7.32点
2011-03-09セブン4レビュー7.62点
2010-05-26グラン・トリノ10レビュー7.87点
2009-11-15人情紙風船8レビュー8.26点
2009-10-21K-20 怪人二十面相・伝2レビュー5.80点
2009-03-29ぐるりのこと。10レビュー7.02点
2009-03-24おくりびと5レビュー7.03点
2009-03-11クライマーズ・ハイ(2008)10レビュー5.55点
2009-03-01スカイ・クロラ The Sky Crawlers4レビュー6.11点
2008-12-12ダークナイト(2008)3レビュー7.67点
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