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《ネタバレ》 普通「美しい女性がギャングに追われている」となれば、それは借金のかたに取られた女性が逃げてきたか、あるいは組織の秘密を知ってしまった愛人が逃げてきたかのどちらかというのがパターンでしょう。私はそう思って観てましたし、ドッグヴィルの村人たちも全員そう思っていたはずです。グレースは自分の身の上を「敢えて」言わなかった。「自分が何者であっても、一生懸命尽くせば受け入れてもらえる。」人間の本質は「善」であると信じていたからです。ところが村人はグレースを「美しい奴隷」として扱ってしまった。ギャングのボスの娘と知っていればそれこそ国賓級の扱いをしていたでしょうが、時すでに遅し。仮にグレースが一度連れ戻された時に本当のことを言ったとしても、その直後の村人の豹変ぶりは彼女を落胆させるのに十分だったでしょう。どちらにしろグレースを仲間として平等に扱わなくなった時点で村人の運命は決まってしまいましたね。かく言う私も「実はボスの娘」だとわかった時には「やられた」と思いましたし、村人全員鼻から牛乳状態。一気に最悪の結末へ。大人だけでなく、子供や赤ん坊まで撃ち殺される様子は重度のトラウマを引き起こしかねません。鑑賞時は十分ご注意ください。さすが後味の悪さで「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と双璧をなすだけはあります。しかも同じ監督だってのがすげーなー。
【S.H.A.D.O.】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-12-21 17:44:38)
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