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やはりイーストウッドには、こんなひと癖もふた癖もあるヒーロー像がよく似合う。本作では、信心深い冤罪の死刑囚と面会した際でさえ、
「俺はどうせ世間ではつまはじき者だ。神など知ったこっちゃない。あの世の正義などクソ食らえだ。」と言い放つ。 平気でこんな台詞を吐く正義の人を演じると誰もイーストウッドには太刀打ちできません。 勤める新聞社でも禁止になっている、社会悪の象徴のようなタバコをくゆらす様がまた絵になる。 死刑執行まであと数時間。普通なら不可能と思われるドラマですがイーストウッドがやると、それだけで何か説得力のようなものがある。 不慮の事故で急死した後輩に代わり、死刑囚の面会の仕事を引き継いだ時には執行まであと数時間。 面会時、与えられた時間は15分。冤罪の死刑囚との分刻みの真剣勝負。 最後は、刑の執行が始まり秒刻みの争いとなってくる。次第に残された時間との闘いが緊迫度を増してくるドラマの展開も見事。 冤罪と死刑、人種問題、司法やジャーナリズムの在り方を問う重さのあるテーマを扱いながらも、 娘とのやり取りや職場での軽いやりとりが効いていてイーストウッドの社会派サスペンスとしてはそれ程重さを感じさせない。 そこには何も台詞は要らない。クリスマスの夜、目が合う2人の表情で終わるラストもまた良かった。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-10 23:12:41)
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