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《ネタバレ》 序盤のマグロ漁の実録シーンはハワード・ホークスの『虎鮫』には劣るものの、瑞々しい活気が画面に漲って素晴らしい。
甲板上で頭を打擲され解体されていく鮫がのたうつ生々しさは、後にベッド上でもがき苦しむ宇野重吉の姿とも重なるだろう。 被曝までの約20分間で描写される船員たちの生活ぶり・仕事ぶりが丹念でいい。 被曝の瞬間、無音の中に白い閃光が画面を覆う。その数秒後に轟音と爆風が船を襲う、という描写が迫真である。 白い灰が降る中を滑る福竜丸の合成ショットが不気味だ。 前半の動に対して、静の際立つ後半、米国側調査団と日本側医師団との問答を通訳が介す。 その事務的口調の冷徹な響き。 宇野らの柔和なキャラクターもまた、映画の抑制的なトーンを象っている。 【ユーカラ】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-09-20 23:58:34)
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