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ルームメイトの二人が夜の屋上で会話している。二人のコミュニケーションのずれが遠景を横移動する上下線の電車灯の動きで明快に示されている。位置関係からタイミングまで絶妙だ。池脇千鶴がベランダのブランコから消灯する東京タワーに向かって語りかける場面の的確なタイミングも然り。ハムスターを埋葬している岩瀬塔子の背景の鉄道高架を走る電車に反射する夕陽の光線などなど、奥の情景にある機械的な光の運動に手前のドラマをあくまで自然に組み合わせていく緻密さ、芸の細かさは見事といってよい。発車寸前の電車デッキ内でのやりとりも臨場感に満ちて素晴らしい。各々個性的な携帯電話着信音や、各人各様の置き時計の機械音など、音の感覚も鋭敏かつ繊細である。
【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-11-05 22:22:28)
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