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《ネタバレ》 冒頭での教師同士の自己紹介などを除き、基本的に物語に関する背景や説明的描写は大幅に省略され、原題通りカメラは校舎の外へ出ることなく教師と生徒、あるいは教師同士のコミュニケーションをひたすら捉えていく。通俗的起承転結も大団円もなく、彼らの間では葛藤・摩擦・対立が次々と生起し、授業そのものが優れてサスペンスフルな劇となる。多国籍・多人種・多階級の社会を生きる生徒たちと教師による舌戦の丁々発止ぶりが非常に面白い。強かであったり、反抗的であったりと、個性豊かな生徒達の表情に現れるフィクションと写実のせめぎ合いが画面に緊張を漲らせ、非常に見応えがある。カメラは教室の全体像を収めることはなく主として発言者の横顔を大きく捉えるが、同時に周囲の生徒たちのリアクションも確りフレーム内に収めており、画面はフレーム外の世界と、共存者たちの存在を常に意識させる。極端に狭い校庭で、教師と生徒混合でサッカーに興じるラストの図はほとんど個人戦の様相だが、その雑然感が良い味を出している。
【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-07-21 20:27:04)
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