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『警察日記』の二木てるみ、『ポネット』のヴィクトワール・ティヴィソルにも比肩する子役キム・セロンの圧倒的存在感。
賢しらな芝居を越えた眼差し、表情、佇まいそのものから目が離せない。食器を手で払いのける瞬発的アクションの見事さ。医師との対話シーンでは繊細な長台詞をこなし、情感に富み透き通った歌声を聞かせ、絶妙な表情で喜び・悲しみ・孤独・絶望の諸々を振り幅広く演じきる。 ラストで空港のゲート出口へ向う彼女の、言葉では形容不可能な表情と歩みはとりわけ絶品といえる。 監督をはじめとするスタッフはどのようなアプローチでこれらを引き出すのか、非常に興味深い。優れた助演者たちの功労も大きいだろう。 劇中は子供たちの歌唱以外、音楽を廃した抑制的な語り。エンディングにのみ流れる静かな旋律がまた余韻を残す。 ただ、埋葬シーンの観念性などにはどこかキム・ギドク的な危うさも感じさせる。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-10-19 20:56:59)
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