| 作品情報
レビュー情報
スクリーンプロセスの多用などはいかにも予算の制約を感じさせつつ、
一方ではトム・ニールの電話シーンに交換手がそれを繋いでいくショットを律儀に 入れもする。 低予算映画ならば真っ先に削れそうなショットなのだが、この簡潔な長距離電話の描写が あってこそ、後の大陸横断ヒッチハイクの距離感が印象づけられることになる。 同時にその電話線もまた終盤に活きてくるわけで、巧い。 道中、最初の思わぬ悲劇。 黒い車体に降りかかる激しい土砂降りの雨が、それだけでその後に主人公が陥っていく 泥沼状況を予感させる。 助手席で眠っていたかと思われたアン・サヴェージが不意に目を開けて 運転席のトム・ニールを凝視する、それだけの動き、その無表情がなんとも恐ろしい。 レコード盤からドラムへと、円によってスムーズにフラッシュバックへとカットを 繋ぐなど、編集の工夫も随所で光る。 満載されたノワールの意匠と低予算ならではの美徳が、不思議な魅力を放っている。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-02-07 23:42:25)
ユーカラ さんの 最近のクチコミ・感想
|