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《ネタバレ》 テマティスム的には、色の主題なり、視線劇の充実が語られるのだろう。
デジタル・シャープネスが指向される今時に、この軟調画面の肌理と艶だけとっても「映画」を見た満足感を与えてくれる。 雨滴の乱反射や、窓ガラスの曇り、紫煙などがさらに画面を滲ませて一層味わい深さを増している。 リビングから玄関ドアに向けたカメラポジションが、奥の空間でやり取りする人物をさらに壁ラインでフレーミングする。 屋外からの望遠による二つの窓と、その間を移動しているだろう人物の見えない動き。 それら人物の見え隠れ具合が、こちらの視線を空間の中に自然と引き込んでいく。 こうした絶妙の構図取りもまた素晴らしい。 数ある視線のドラマの中でも、とりわけ極上というべきラストのケイト・ブランシェットの視線と表情は何と形容すべきだろう。 これはもう一度観に行きたい。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2016-02-14 20:37:29)
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