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《ネタバレ》 本田翼の左手甲の傷は、まず終盤のさる事件とも絡む物語的要請としてあるが、加えてその不自由によって彼女が右手を以て
一心に鉛筆を走らせるという映画アクション的要請から来るものでもある。 これがノートパソコンのキー打ちではサマにもならない。授業そっちのけで文字を綴り続ける手と鉛筆の動き、紙面上に生まれていく肉筆の文字、 その硬質な音響、そしてその彼女を横から見つめる山本美月の視線。それらの要素が映画を形成していく。 手書きの文字だからこそ、ドラマとしても映画としても献辞の言葉が重要な意味を持つこととなるだろう。 前々作に続いてのコンビ、月永雄太の撮影が曇天や夜景を見事にドラマに反映させている。 夕陽の映える海岸沿いの歩道を二人の少女が駆け抜けていくスローモーションショットの反復。 計四人の少女たちの表情と走りが素晴らしい。 「夜の終わり」がモチーフであるからには、二人を明るく照らし出す朝陽が欲しいところではあるが。 終盤はありがちなパズル合わせと化してしまう。そこから逆算したのだろうキャラクター造形が随所に見られるのが難点か。 『しあわせのパン』、『ぶどうのなみだ』で悪い先入観を持ってしまっていたが、これは悪くない。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-10-09 17:52:33)
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