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《ネタバレ》 舞台はアパート4階。その自室にヘンリー・フォンダが立て籠もる。表通り下方からのライトが屋内にノワール風に肥大化した影を作り出している。
時折唐突に乱射される銃による弾着によってシーンの緊張が高まっていく。同時にそれはひび割れた鏡を画面に導入させる役割を果たし、 銃撃のショックで半開きとなったクローゼット内に貼られたヒロインの写真や散乱した小物から回想シーンへと橋渡す役割をも担う。 部屋を包囲する警官隊の配置も、階段の高低差がとり入れられる事によって立体的な空間が組織されているのがいい。 ヴィンセント・プライスのアクの強い相貌とキャラクターがヘンリー・フォンダの実直なイメージと好対照を為し、不気味な存在感を放っている。 危険な階段落ちもこなして出色だ。そしてラストでビルを駆け上って行動するヒロイン、バーバラ・ベル・ゲデスも可憐である。 劇中で幾度も用いられる小道具である煙草もまたエピローグで印象的な使われ方をしており、実に粋である。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2016-12-21 23:58:49)
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