第七天国(1927) の ユーカラ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > 第七天国(1927)
 > ユーカラさんのレビュー
第七天国(1927) の ユーカラ さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
甘美なロマンスムード一辺倒ではなく、後半では第一次世界大戦での塹壕戦の描写なども手抜きがない。中盤の出征のくだりからは街路や戦場での大掛かりなモブ(群集)シーンが俯瞰気味で捉えられ、またかなり凝った特撮も組み合わされており大作の風格すら感じさせる。厳然たる戦場(地獄)に正面から向き合ってこそ対位的に強調される「天国」。その対比に関連するなら、恋人たち二人の身長差を始め、高層アパートや階段、地下水路といった舞台設定や台詞の中など随所に高低差が意識されており、見上げる・見下ろす・昇るといったモチーフに活かされている。下降―上昇―下降―再上昇という物語構造は現代なら宮崎駿監督なども意識して用いる普遍的な作劇であり、具体としての垂直方向の身体アクションが説話と融合することで、ドラマへの強い感情移入と感覚的高揚を可能にするのではないか。観念的な意味ではない、具体的な「上を見上げる」という行為の美質に溢れた作品である。
ユーカラさん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-22 18:34:18)
ユーカラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-02-14キリエのうた2レビュー6.00点
2018-03-11坂道のアポロン5レビュー6.00点
2018-02-28シムソンズ7レビュー7.41点
2018-02-28空海 KU-KAI 美しき王妃の謎5レビュー4.85点
2018-02-25リバーズ・エッジ5レビュー5.33点
2018-02-24キングスマン: ゴールデン・サークル7レビュー6.40点
2018-02-18グレイテスト・ショーマン9レビュー7.36点
2018-02-18羊の木7レビュー6.00点
2018-02-18マンハント(2017)5レビュー4.70点
2018-02-07不能犯5レビュー4.33点
第七天国(1927)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS