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恐ろしい理由によって追い回される映画は数多くあるけど、理由も無く且つ執拗に追い回される映画は今の時代に見ても斬新に映る。初めは、この人は何故トラックに追われているのか?という疑問にかられて、その理由を追い求めている感じで観てたんだけど、どんどんトラックのその執拗さに恐怖感が増してきて結局、やられちゃいました。 いやぁ、ほんともう凄いな。設定的に、理不尽にも見ず知らずのトラックに追い回されるってのはそんなにおもしろいものだとは思えないのに、ここまでの作品に仕上げちゃうのは、やはり天才だ。会話は無い。ストーリーのテンポも別段良くないし、音楽も大して引き立たせるものでもなかった。登場人物だって出て来るのは主人公だけのようなもの。激突は言ってみれば映画とは言い難いほど何も無い世界だ。しかし監督は敢えて作品の中の在るべき材料を全て取り除いた。そして同時にその閑散とした空間に強烈な魔物を放った。エイリアンやゾンビとは比にならないほどの不気味なモンスター、この映画の世界をねじ曲げる程の。これは恐怖だ。なぜならそいつは何も語らない。自分が誰であるのか、追っていた理由、降参の言葉さえも。
【ホーラン℃】さん 10点(2004-12-10 22:52:40)
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