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《ネタバレ》 「アトランティスのこころ」という物語を知るには,映画ではなくやはり原作を読むしかありえない,というのが正解だろう。ホラー作家という,慣れ親しんだ衣を自ら脱ぎ捨てようとしているキングの意欲作であり,壮大なアダルト・ファンタジーでもあるこの物語を,わずか2時間足らずで表現するのは不可能だ。例によって小説を読んだ後で観た本作だが,数あるエピソードのうちの1つとして受け止めれば,それほどむかっ腹も立たない。駄作ではないと思う。ボビーとキャロルのこそばゆいような恋心は,観覧車のキスシーンに代表されるように,観る者の胸に淡雪の如く残る。しかし,2人の人生はある地点から先へは交わることなく伸びていき,時を経たある地点で再び邂逅する。原作では最高のクライマックスなのだが,映画ではボビーとキャロルの娘の出会いという形に変えられている。けれど,これはこれでいい。過ぎ去った時間は取り戻せなくとも,彼らは彼らの人生を一途に生きた。人生とはそうあるべきだと,テッドは教えて去っていったのではなかったか。
【Roxy】さん [ビデオ(吹替)] 5点(2005-11-04 22:37:38)
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