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《ネタバレ》 水路で有名な福岡県柳川市。過去に水路の汚染問題、そしてそれに伴う埋め立ての都市計画に対して「水路を浄化して生活に役立てる」事を提案し、実際に再生を果たした市役所の一係長の話をロケハンで訪れた際に聞いた高畑監督はこの話を元にドキュメンタリー映画を製作する事を思いつき、1年間の予定で現地に入り撮影を開始。ところが実際は撮影が2年に及んだ挙句資金が枯渇し(「ナウシカ」の売り上げは全てこの映画に消えたとか)、製作者宮崎駿は家を抵当にかける羽目になったのは有名な話。何しろ上映時間2時間40分は長い。映画館で鑑賞した私、マラソンみたいなものでしたよ本当。但水路の歴史や人々の営み、汚染問題や住民運動、そして再生を描き出すのにはどうしてもこの内容で無かったら駄目だったんだろう。ポイントは3つ。1 水路を走る船やそこからの光景、また人々の生活の捉え方はまさにアニメ的なダイナミズムに溢れているのが面白い。アニメによる説明よりも実写の方がアニメ的というのか。 2 高畑監督はテーマを設定し、それを基幹にストーリーを展開する事にこだわりを持っていたと思うが、この作品以降はそれに加えて「アニメーションと社会との関わり(現実的なリアリティ)」といったポイントをも考慮する様になった、という意味で作歴のターニングポイントになったと私は思う。そして3 盟友宮崎駿の「ナウシカ(’84)」「ラピュタ('86)」に対する高畑監督なりの回答:自然と人間生活の共生、そしてその在り方がこの映画に含まれているのではないかと感じたのでこの点数。 「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「おもひでぽろぽろ」だけじゃない、ってかまずは世界名作劇場の高畑作品を見てからなのだろうけど、機会があれば。
【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2021-04-17 19:09:51)
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