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《ネタバレ》 義経一行の奥州平泉までの旅はある意味死出の旅であり、「勧進帳」が愛され続けた理由のひとつに一種の古き良き伝統的な「荘厳さ」を感じられるからというのが私個人の解釈です。でその雰囲気を現実的な感覚から壊しているエノケン。相反する感覚が一瞬だけ触れ合う時=危機を脱した酒の席があったものの最後は受け入れられないものとして扱われ荒野に取り残される彼の姿は当然の帰結とはいえ寂しさを感じてしまいます。この映画の印象が薄いのは「荘厳感」と「現実感」のバランスが中途半端(撮影時期が時期だけに環境的にも制約があったとはいえ)だったからではないか、と。それでもこの話、大好きなんですよね、エノケンのクリクリ、大河内の据わった、そして藤田の優しいまなざし。「眼」の印象が強い映画。(DVD字幕付きで見るべし!)
【Nbu2】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-01-20 08:40:52)
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