暗いところで待ち合わせ の 目隠シスト さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ク行
 > 暗いところで待ち合わせ
 > 目隠シストさんのレビュー
暗いところで待ち合わせ の 目隠シスト さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 暗いところで待ち合わせ
製作国
上映時間129分
劇場公開日 2006-11-25
ジャンルサスペンス,犯罪もの,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 静かな映画。その設定とストーリーゆえ、派手な展開が無いのは当然ですが、演出もかなり抑えられています。例えばミチルが侵入者の存在を疑う重要な場面。食パンの枚数を確認します。それはもうさりげない。アキヒロの言い分が本当に正しいのか、ミチルはハルミに事件との関わり聞き出そうとします。「彼氏はどんな人だったんですか?」過去形で問うキラークエッション。疑惑の外堀を埋める決定打です。彼女の頭のスマートさがよく分かる。でも際立たせようとする演出はありません。流して観てしまう。一貫して平坦な画を重ねています。それは田中麗奈の撮り方にも表れている。表情が薄く、その美貌と魅力を封じ込めています。冴えない普通の女の子に見える。事件解決後、アキヒロの話を静かに聞く姿なんか仏様のよう。だからほんの少しの変化が劇的に思えます。湯上りの飾りない素の表情。ラスト彼と向かい合った時の横顔。彼女の素顔は、なんて素敵なのでしょう。気の持ち方で表情が変わる。生き方が変わる。抑制の効いた演出だからこそ、小さな変化に価値があることに気付かされます。「土鍋キャッチ」や「ホームに出現するハルミ」など印象的なシーンが心に刻まれるのも同じ理由です。共に暗い世界にいた2人。偶然の出会いを“待ち合わせ”に替えて、これから一緒に歩いて行こう。希望は薄明かり。厳しい人生が待っていることに変わりはありません。でも手を繋ぐ人がいるだけで、どんなに力強いことか。勇気がもらえることか。歩幅を併せてくれる人が隣にいることに感謝しなくては。「目が見えないのだからしょうがない」「外国人なので仕方が無い」もう言い訳は捨てていい。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-14 18:17:55)(良:2票)
目隠シスト さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-03-15リゾートバイト6レビュー6.00点
2025-03-13レディ加賀5レビュー5.00点
2025-02-23翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜6レビュー5.92点
2025-02-01まともじゃないのは君も一緒8レビュー7.00点
2025-01-28ロストケア7レビュー6.72点
2025-01-23蛇の道(2024)6レビュー6.00点
2025-01-20蛇の道(1998)7レビュー6.69点
2025-01-18Cloud クラウド8レビュー6.00点
2025-01-01あのコはだぁれ?5レビュー4.75点
2024-12-22お坊様と鉄砲8レビュー8.00点
暗いところで待ち合わせのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS