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レビュー情報
《ネタバレ》 脚本に不満あり。コララインのパパママ救出&亡霊の目玉取り返し作戦の出来が良くありません。結構な難題を偶然と助っ人の手を借りてお手軽にクリア。時間的制約も事前のアナウンスは無し。主人公と一緒に謎解きしようと身構えていたのに、まさかの肩透かしをくらいました。冒険心が萎んでいく。減点法で脚本を採点したら7点に届きません。ところが、マイナスを吹き飛ばしてしまう長所を本作は有していました。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『ジャイアント・ピーチ』を深化させた独特の世界観です。影を孕んだ魅惑的なキャラクターと豊かな美術表現に圧倒されました。魔法が解け、世界が崩れていく様の見事なこと!自分はこのセンスを全面的に支持します。テーマもオーソドックスながら、自分の心を捉えました。子どもの頃の記憶がよみがえってくる。「友達の家では、しょっちゅう玩具を買ってくれるよ。夏休みには旅行だってさ。羨ましいよー。ずるいよー。」駄々を捏ねて親を困らせたものです。こんなとき、両親の台詞は決まっていた。「それなら、友達の家の子になりなさい。」そう言われると黙るしかない。だって、うちがいいから。お父さんとお母さんじゃなきゃダメだから。愛情とか、信頼とか、そんな言葉で説明ができない繋がりが親子にはある。今にして思えば、大富豪の養子になら貰われて行っても良かったと思うけど(笑)。ボタンの魔女の誘惑に乗らず、父と母を助けるため毅然と立ち向かう主人公に、あの頃の自分を重ね合わせ胸を熱くしました。前述のとおり冒険としてはイマイチだったけど、結果良ければ全て良し。それにしてもあの黒ネコは頼もしかった。素敵でした。これからは黒ネコが横切っても不吉だなんて思わないことにします。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2011-03-02 19:55:50)(良:1票)
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