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多くの人の人生は、まあまあの人生。それなりに辛く、それなりに楽しい。本作の主人公の人生は、彼の同級生が指摘したように一般的には「成功」の部類に入るのかもしれません。でも、本人にしてみれば、そうではありません。やっぱりそこそこの人生。でも主人公はそんな人生を受け入れている。受け入れて噛み砕き消化し、コミックに投影させています。これは出来そうでなかなか出来ないこと。自分に都合の悪いことを受け入れるのは結構難しい。“いつか”この生活が変わる。“そのうち”良いことがある。前向きな発想は、反面自分を騙していることでもあります。主人公の生き方は後ろ向きだし、お手本となるようなものではありません。でも「悪くない」と思いました。ありのままの自分でOK。くすんだ鈍い光だったとしても、すべての人生は輝いている。ジャズの音色とアクの強い主人公の不機嫌な顔が、この作品のすべてです。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-20 18:35:03)
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