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《ネタバレ》 ロン・ハワード監督といえばビューティフル・マインド。
ナッシュ均衡という重要な発見をした数学者を主人公としているのに、数学は無視。 そして、ひたすら暗号解読(あれは数学とはいえない)のシーンばかりを描いてきた。 しかし、本作は暗号の解読がメインテーマというではないか!! まさに水を得た魚、鬼に金棒状態だと思った。 しかし、映画を観たあとのこの脱力感・虚無感は何だろう。 ストーリーは二転三転し、全体的には決して悪くはない。 しかし、一つ一つのイベントがあまりにも軽く描かれていて、情熱が感じられないのだ。 暗号の解読シーンは知的スリルを味わう余裕もなく、ラングドン教授が簡単に 片をつけてしまう。また、ラングドンとソフィーは共に幼い頃のトラウマを背負って 生きているのだが、回想シーンでそのような場面が軽く描写されるだけで、演技からは その重荷は全く感じられない。カーチェイスのシーンもやっつけ仕事という感じで 迫力はない。 それでも、美術と音楽がよければ個人的には納得 できる映画ということになるのだが、これも期待外れ。美術はせっかく格調高い教会 や名画を使っているのに、いいかげんな構図&カメラワークで魅力は全く伝えきれていない。 また、音楽は悪くはないのが、あまりにもステレオタイプで印象に残る曲が無い。 あの指輪物語でさえ見事に映像化され傑作となったのだから、 ダ・ヴィンチ・コードも細かい部分のクオリティを高める努力を厭わなければ 名作にするのは決して難しくなかったであろう。 だが、突貫工事的な映画製作で監督はせっかくのチャンスを無駄にしてしまった。 とても残念でならない。 【Ruby】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-05-23 02:12:36)
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