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《ネタバレ》 映像もそうだが安寿の器量の良さに痺れた。何処かで見たなあと思い、ああ“芋たこなんきん”だと思い出した。とても気品のある人だ。物語はと言うと、敷居が高いと思いきや、とても判り易かったと思う。だが人物の描写に少々、違和感を感じた。成人した厨子王や無法地帯での安寿の美しさ、あれでは獣たちの餌食になることは容易に想像できる。一工夫ほしかった。そして山椒大夫に圧倒的な悪を感じないのも、いま一つ入り込めなかった原因かも。でもこう感じたのは、僕の未熟さが最大の要因かも知れない。安寿の死に憤りを覚え、海岸線の美しい映像に溜息を漏らし、暖かな日差しを浴びた浜辺での再会のシーンでは涙も流したのだから。初溝口作品だったので、もう少しエージングを重ねなければ。次は残菊物語だ。
【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-03-30 21:04:28)
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