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乱歩好きにとって、乱歩映画は、見るのがちょっとオソロシイのです。あの世界観を映像化することによって「ゲテモノ」に成り下がる可能性が容易に想像できるので。実際「ゲテモノ」系映画もありますし。そんな中で、本作は、原作を思いっきり換骨奪胎し、独自のワールドを作ったことで、映画として、なかなか上質なものに仕上がっていると思います。中でも、美術は素晴らしく、あのアトリエは、原作の描写にかなり忠実に再現されており、よくぞ作ったものだ、と感心します。「盲獣」というには、船越英一はキレイ過ぎる感じはありますが、緑魔子を配したのは大当たり。余談ですが、昨年の大河ドラマに彼女が怪しい老婆役で出ていたのを見たときは、感動しました。NHKもなかなか良いセンスしています。てなわけで、ラストへ向けて一気に倒錯世界が全開になるわけですが、まあ、とにかく、こんな作品が40年近く前に作られていたことに注目ですね。乱歩好きとしては、怖いもの見たさで『芋虫』を映画化して欲しいものです。ま、ムリでしょうが。
【すねこすり】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-28 15:49:12)(良:2票)
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