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《ネタバレ》 史実かどうかは問題じゃない。本当はこんなに美しい物語ばかりではなかったかもしれない。もっと陰惨で辛気臭い話にだってできたはずだし、捕虜はみんなこんなに勇敢じゃなかっただろうし、そっちのほうがもっとリアリティに溢れているのかもしれない。でも、この映画は間違いなく名作だし、そのように評価されるべきだと思う。
この映画の素晴らしい点は友情、思いやり、そして軍人として(あるいは人間として)どうあるべきかを観客に示してくれるというところにある。明日に賭けようという前向きな、そして不屈の精神。ラストシーンは何回観ても感動する。しかもこの映画がすごいのは、その価値観の提示を少しも押し付けがましく感じさせないという点である。群像劇というスタイルをとっているから、誰を自分のヒーローとするかも選択は自由というわけだ。ヒルツのアメリカ人らしい自由なアプローチ、バートレットの組織化された軍人としてのアプローチ、ダニーの一兵卒としてのアプローチ。この映画は、多くの人が目にしてこそ、意味のある映画だと思う。そして、公開から40年以上を経た現在も多くの人がこの映画に魅了されているという現実を、僕はうれしく思う。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-16 16:31:21)(良:3票)
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