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《ネタバレ》 最初はバックダンサーへのインタビューから幕を開ける。笑顔が抑えられない者、涙を隠せない者、彼らの誰もがどれほど彼とのステージを夢見ていたかが、痛いほどよく分かる。「神」と同じ空間を共有することへの興奮や期待を語る彼らの言葉やしぐさはとても自然で違和感が無くて、まっすぐに僕の心に響いた。
往年の彼の名曲を一曲ずつ紹介していくことで、映画は進行する。ステージでの振り付けや巨大なバックスクリーン映し出される動画は全てが桁違いにファンタスティックだ。まさに惜しげも無い金の使い方で、マイケルのショウにかける意気込みの強さが、うかがわれる。 そして、最も驚かされるのはマイケル本人の動きだ。「smooth criminal」を観た時には思わず涙してしまった。なぜ、彼が死ななければならなかったのか。50歳と言う年齢を超越したダンスのキレは尋常ではない。そして、終盤の「billie jean」はムーンウォークこそ無かったものの、やはり演出の粋を集めた洗練の極みとも言える内容だった。この曲に限って言えば、マイケルの動きだけを追った映像で構成されているのも良かった。あの動きさえ見られれば、他の余計な映像など必要ない。 僕もこのコンサートがもし行われていたら、10万円出しても観たかったと思った。しかし、彼の死によってこの映画が公開されなければ、そうは思わなかっただろう。それだけの価値があると気づかなかっただろう。そして、皮肉なことにこの映画公開によってコンサートの観客の何十倍もの人が彼のステージを観ることになった。ある意味でマイケルは最期までショウを完遂したと言えるのかもしれない。 映画と呼ぶには抵抗があるが、最高にエンタテイメント性の高いメイキング映像と考えれば、一見の価値はある。そして、観るなら是非劇場の大画面で観たほうがよい。日本風の言い方をすれば、この映画を観て、皆が感動することが彼にとっての最高の供養なのかもしれないと思う。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-09 23:28:21)(良:1票)
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