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《ネタバレ》 高い評判だったので、期待しすぎたかもしれません。面白かったのは飛行場のシーンまでで、以降は不満にみちた長い時間となってしまいました。
まず、敵の強大さ、悪党ぶりが消えます。「計画が阻止されて、金を失ったからギャンブルで増やす」「金の取立てに来た数人のテロリストになすすべもなくボコボコにされる」…こんな頭も悪く、強くもない奴をジェームス・ボンドが倒す必要があるのか?取り立てを倒したボンドの方があきらかに強く見えるので、対決の構図にまったく緊迫感がないと感じてしまいました。 そして、見せ場となるカードの勝負も、「顔が引きつったらブラフ」という超低レベルの心理戦からスタートしているのも、信じ難いものでした。しかもそれ以上に発展しない…。ボンドガールとの初対面時のシーンで、「ギャンブルは心理戦がすべて」と、戦いの見せ場が高度な心理戦になることを予感させておいて、いつのまにか「俺は必ず勝つ!」みたいな根性論にすりかわり、最終的にこれまでの007映画のお約束=「ボンドだから勝つ」という結末では、盛り上がるわけがないと思うのですが。 ラストでは、ボンドガールの女が、「恋人を助けるために裏切ったけど、ボンドにも惚れてしまった」ような感じになりますが、あまりすっきりしない展開だと思います。ボンドと愛し合っていたとしても、じゃあ恋人は何だったの?と思ってしまいますから…。恋人よりも家族を人質に取られたほうがまとまった気がします。 冒頭のトイレのバイオレンス系格闘と、OP後の「マッハ!」的なアクション、空港での派手なチェイスはそれぞれ見所がありましたが、統一感が感じられないのが残念でした。 ダニエル・グレイグの存在感と、以後のシリーズに向けての期待で、5点といったところでしょうか。 【塚原新】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-09 22:31:43)(良:3票)
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