少年期 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 少年期
 > なんのかんのさんのレビュー
少年期 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 少年期
製作国
上映時間111分
劇場公開日 1951-05-12
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
ニワトリがいなくなった朝、探しに畑に出ると兵隊たちがシルエットで暁の行軍をするところ、少年が純粋に感動の涙にむせんで悲壮なタッチのテーマ曲がかぶさってくる。ここだけとればもう完全に戦時下の国策映画だ。「陸軍」のラストを思い出す。「陸軍」は、軍からお叱りがきたので、今では反戦映画ということになってるが、あの行軍は、母を振り切ってまでお国のために出征していくのだ、という雄々しさとして当時は捉えられていたはず。図式としては、戦後作られた本作のこの場面も似てる。こちらの母は、ちょっとうるさい。スケート場に迎えに来たり教師にお願いに行ったりして、子どもにすれば、たまんねえなあ、という感じがある。その子どもが、母のいない朝、軍の行進を憧れて見ている。この図式、遠くへ出発する息子・遠くへ出発したがる息子と置いていかれる母、という図式が持つ感覚のレベルでの痛みのようなものを、とにかくこの監督は描きたかったのではないか。それは肯定するとか否定するとかいうイデオロギーのレベルよりも深い地盤に根を下ろしているので、戦時下の作品でも戦後の作品でもかまわなく現われてくる。本物の映画作家とはこういうものだろう。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2008-02-08 12:22:13)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
少年期のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS