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『ニキータ』のシナリオ上の不満が、アメリカ映画の合理主義によっていくらか解消されるかと思っていたが、ほとんどそのままであった。恋人を隣室において、プロポーズされつつの暗殺シーンは、やはり滑稽。歌舞伎の、世話ものふうの中に「実は」で時代ものが見えてくる、みたいな感じで観賞すればいいのかな。組織ってこんなに甘くないと思うよ。主人公の設定は面白いものを生み出せそうなのに、けっきょく「組織」を描けてないので、個人のほうもヘンテコリンになってしまう。こんな個人を組織が泳がせるとは思えない。女のほうだって、レストランのあと、本部へノコノコ帰ってくるのがヘン。それでも役者はおおむね良く、ガブリエル・バーンはアホな役なのに、いい味。掃除人のハーベイ・カイテルも不気味に殺伐としている。アン・バンクロフトは、アメリカのジャンヌ・モローであった。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-09-17 10:01:57)
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