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イッセー尾形って、特定の人物の物まねをやるのではなく、あるタイプについて人々が抱いている典型を、ひたすら外面の模倣だけで内面をも感じさせるまでに持っていく人。今回はヒロヒトという特定の人物が課題、外面の模倣はさすがだが、はてそれで内面はどうなったか。興味深かったのはそのヒロヒト自身が、映画の中でチャーリー・チャップリンに似てると言われたことだ。マッカーサーの部屋で一人きりになると、チャーリーのようにふらふらと室内を踊りだしてしまう。人と対面することが仕事の天皇がふと誰の視線もない場所に立った時、似ていると言われた他人を模倣することで内面を埋めようとしているような、そうすることで映画の中のヒロヒトがイッセー尾形を模倣し、内面の空虚をお互いに埋めあっているような、奇妙な倒錯が一瞬感じられた。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-07 10:37:51)
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