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スロヴァキアの老人たちを描くドキュメンタリー。『糧なき土地』や『アラン』の線だけど、やや詩情が過剰。作者が自分の詩を語っているみたいで、最初からそういう映画として見ればいいんだろうが、やっぱドキュメンタリーってのは、散文を連ねていった果てに魂の詩が見えてくるってのが理想だろう。ことさら孤独を強調する画づらも気になった。でも老人たちの顔がいいから許せる。予定調和的なインタビューを表情が無効にしていってしまう。これらの顔の前では「生きがい」とか「幸福」とかいった言葉が薄っぺらに聞こえてくる。宇宙小僧のようなおじいさん、面白かったな。楽器がよく出てくる。長いクラリネットのような変な管楽器、バグパイプ、二弦の低音弦楽器、バイオリン、まるで一人一人が楽器と同化し、この村が一つのオーケストラになってる、なんて幻想が湧くような、ちょっとおとぎ話っぽい気配がある。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-05-03 09:48:42)
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