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昔、日本語字幕なし・あらすじの配布なし、という厳しい条件下で鑑賞した。この人の映画はいつもそうだけど、照明がまだらで、室内なのに木洩れ日の下にいるような奇妙な世界になる。人物は闇の中から立ち現われ、闇の中へ消えていく。幽明の世界とでも言うんでしょうか。そのなかで登場人物たちはなかなか目を合わせない。向かい合ったときは切り返しになって、同一画面の中では向かい合わない。一人が一人を見てると、見られているほうは正面を向いていることが多い。なんか小津みたいだが、ぜんぜん質感が違い、環太平洋の温帯と北欧の空気の差か、こちらははるかに冷たい。終わりのほう、実際は向かい合っていても、女のほうが鏡に映っているために、画面では二人が並んでいる格好になる。それぞれが相手を背景にしてしまい、孤立してる感じ。なにせ言葉が分からないので、そんなことばかり見てましたっけ。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2008-01-30 12:17:56)
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