麗しのサブリナ の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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麗しのサブリナ の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 麗しのサブリナ
製作国
上映時間113分
劇場公開日 1954-09-17
ジャンルラブストーリー,コメディ,モノクロ映画,ロマンス,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
なぜオードリーは、平気でおじさまと結ばれるのか。以下ざっとした暗算なので間違ったかもしれないが、このときH・ボガートは55だ。『昼下がりの情事』のG・クーパーは56、『パリの恋人』のF・アステアになると58である。おじさまというより、もひとつ上の世代ではないか。もしスクリーンの外で起こったことなら、死後の財産目当ての女狐と呼ばれるところだろう。男の側からすれば、そりゃ可憐な妖精を妻にめとれるのは夢であろうが、オードリー映画はファッションを考えても女性観客をメインに考えていたはず。つまり欧米では、こういうパターンがしっかり根付いていたんだな。ヨーロッパの小説では若いヒロインが保護者のような年上の男と結ばれるハッピーエンドが多い。娘にとって一番の幸福は、シンデレラのようにランクが上の男性と結婚することであって、それは地位の安定したある程度の年配ということになるんだろう。ディケンズの後期の長編で、やはりそのパターンだなと思わせといて、土壇場で「私はもう年寄りだから」と保護者のおじさまが身を引き若き医者と結ばれるヒネったのがあるが、そういう趣向が生まれるほど「娘はおじさまと結ばれてこそ幸せ」の型が根強くあったってことだ。この伝統がヨーロッパの共有無意識となり、大西洋を渡った新世界でも生き続けてきたんじゃないか。それにしても男女非対称な世界だ。もし若きイケメンの主演する恋愛映画の相手役に50代後半のおばさまが続いたらどうであろう。というわけで本作、いじめのないシンデレラで、屋内テニスコート場の光と影はロマンチックだし、割れないプラスチック板に乗って揺するH・ボガートは楽しく、割れたワイングラスは痛そう。デビッド一筋のオードリーと仕事一筋のボガートには、分かりあえるものがあったんだろう。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-26 10:06:16)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)8レビュー7.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い6レビュー5.22点
2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女6レビュー6.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
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